伯母が亡くなって一か月以上が経ちます。
どうしたもんかねぇ、と伯父。
伯母が残したたくさんのモノを
目の前にしてそう言います。
少しずつ片付けようか、と
まずは下着から手を付けました。
ここはまぁなんとか抵抗されずに
進んで行きました。
次はタンス何竿分にも入っている
衣類の整理です。
汚れや毛玉が付いている物は迷わず
処分。
ところが伯父は納得しません。
「そのくらいいいんじゃない?」
「なんでダメなの?」
伯父は「捨てられる」のを嫌います。
最愛の妻のモノですから
捨てるなんてできません。
誰か欲しい人がいたらもらって
欲しい、と言います。
いったい誰がもらうと言うのか...。
だとしたら、もらってもらえる
モノだけ選んでおきましょう、と
言っても抵抗します。
そして、
決まって出る台詞があります。
「まっ、そのままにしておいて」
「俺があとでやるから」
こなったらもう先には進めません。
わかりました。
私が出来ることは、もうありません。
でも一つ進展がありました。
若いころからずっとしまい込んでいた
自分のスラックス。
これをはいてみようかな?と
「ファッションショー」を始めたのです。
果たして結果は。
全てが大きかったり小さかったりで
はけないのです。
処分するかと思いきや
「なんかの時に一緒に捨てるよ」と。
いや、なんかの時とは
今だと思うのですが。
結局「捨てる」のがイヤなのです。
「誰かに着てもらいたい」
その思いだけです。
そうだ!
これならいいでしょうと
次に取り掛かったのがクツです。
下足入れに入っている靴を全て
出してみました。
こんなものではありません。
出しただけでも20足強。
他にもまだあるそうなので
いったい何足持っているのか...。
ずいぶんくたびれたものも
たくさんあります。
着物用の草履にいたってはカビが
生えている状態です。
マジで捨てようと思っていました。
洋服は抵抗されたけれどこれは
大丈夫だろうと思っていたのですが
やはりだめでした。
私にもらって欲しいというけれど
サイズが合いませんし、身内といえども
靴は無理です。いりません。
そして例の台詞です。
「まっ、そのままにしておいて」
「俺があとからやるから」
カビが生えた草履だけ捨ててあとは
元に戻しました。
拭いたら取れないかな?とまで
言い出す始末。
伯父は言いました。
「せっかくやってくれて申し訳ないけど
ついこの前までおばちゃんは
生きていたからさ...」
そうです。
気持ちの整理が付いていないのです。
やらなければいけないと思って
いても気持ちがついていかない、
そんな状態なんです。
そもそも広い家で一人で暮らして
いるわけですから整理整頓など
しなくても何にも問題などないのです。
このままでいい、
それが本音なんだろうな。
片付けてすっきりした暮らしなど
伯父には必要ないのです。
伯父が少しでも片付けようという
気持ちになったら手伝おうと思います。
いったい何年先になるやら。
片付けは本人がやろうとしなければ
成功などしないのですよね。
単なる私の自己満足、か。

